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2007年4月3日火曜日

カマンベール




英仏海峡の湿り気を含んだ風が、
なだらかな丘を撫でるように吹いてくるノルマンディー地方。
今日もリンゴの木の下でのんびりと草を喰んでいる乳牛は、
季節に応じた上質のミルクを恵んでくれます。

丸い形で知られるカマンベール。
そのふたを開けますと、熟成を促す白カビが白い花を思わせ、
すっぱいフルーツの香りが漂ってきます。
人差し指でそっと押してみてください。
ソフトな感触が、しっとりとした舌触りを感じさせます。

こんなやさしいカマンベールが、
フランス大革命(18世紀後半)の時に生まれたなんて驚きです。
そう、革命に反対したお坊さんが、ある日、
パリ地方・ブリBrieの修道院から、カマンベール村に逃げてきたのです。
そして、親切にかくまってくれた村の娘マリー・アレル(Marie Harel)に、
おいしいチーズの作り方を伝授したのでした。
人よりも牛の方が多いカマンベールの村は、ひっそりとしています。
でも近くの集散地ヴィムチエー(Vimoutiers)の町には、
牛の像が祭られ、マリー・アレルの像まで立てられています。
この像は、
「カマンベールは、美味しくて健康に良い。医者は要らないだろう」
と感心したアメリカのドクターが寄贈してくれたものです。

上質のカマンベールは、生牛乳を大サジですくって作る手作りの味。
日本ではなかなか手に入らず、高くつくものです。
カマンベールはノルマンディー5つの県で生産されていますが、
カマンベール村のあるオージュの国 Pays d’Auge が揺籃の地です。

1 件のコメント:

株の勉強 さんのコメント...

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!